園長先生に会いたい!~第2回~

 
<カリタス幼稚園>

 
 



若葉まぶしい陽射しの中、マリア様が温かく待っていてくださいました。
カリタス幼稚園の小池園長様の笑顔もマリア様のようにお優しかったです!
そんな小池園長様の温かいお言葉いっぱいのインタビューですよ。




1.幼稚園の特徴・歴史など教えてください

カリタス幼稚園はカナダ・ケベック州にあるケベック・カリタス修道女会が、戦後の日本の復興のために何ができるか?と考えたところ、それは「これからの日本を作る若い人に教育を提供してあげること」と、3人のシスターを1953年に日本へ派遣して1961年に中・高等学校が、1962年に幼稚園が川崎市多摩区中野島に開校しました。

学園設立の目的は、キリスト教に基づくカトリックの学園で、「誰に対しても分け隔てなく、人のために尽くせる人を育てる」にあります。
これは、カリタス修道女会の設立者である聖マルグリット・デュービルが「神様を信頼して普遍的な愛を」と、身よりのない目の不自由な人のために尽くしたことに発しています。

「人のために尽くせる人」を育てるために、幼稚園時代は”私は愛されている、今のままの自分でいい”と子どもが思うこと大事にしています。
2000年からモンテッソーリ教育を取り入れましたが、その中の自己信頼感に通じていると思います。

モンテッソーリ教育では、取り組む内容(お仕事)を自分で選び自分でやることにより集中して繰り返し、自分を高めていきます。子どもの力は無限大です。そのために幼稚園では、子どもの力が引き出せるような”環境設定””言葉がけ”を大事にしています。

たとえば、水をこぼしてしまった時、以前は「先生~こぼしちゃった!」と言っていた子どもたちが
各部屋に同じ掃除道具をいつも同じ場所に配置したところ、保育者を呼ばずに自分たちで何を使って拭いたらいいのか考えて行動するようになりました。

また、自分で考えて行動するための環境として手を使う事を大切にし、水道は蛇口にし、園児が各自で用意する水筒はコップ式のものを用意していただくようにしています。



2.幼稚園見学でカリタス幼稚園でこれは見て頂きたいという点・所は何でしょうか?

公開保育では、私園長と主任がご案内させていただき、お伝えしたいことは細かくご説明するようにしております。是非足をお運びいただきたいと思います。

注目していただきたいのは、保育者が指示や言葉がけをしなくても子どもが自分で行動できるという点、つまりモンテッソーリ活動においては、自分で選びやりたいお仕事を各自がやっているということです。

環境設定については、ロッカールームです。登園して制服から着替えますがその日によって着替えるものが違います。そのために、各学年ごとにその日に着替える服装のカードを作り、それを見てその日に着替えるものを子どもたちが自分で確認して着替えます。このカードがあることで、子どもは保育者に聞かなくても自分で着替えられますし、朝何かの理由で遅れてひとりで着替えなくてはいけない子も自分でカードを見れば着替えることができます。

また、体験保育(親子で参加)もしております。 公開保育では教室の外から見学していただくだけですが、体験保育では、実際にお教室に入っていただき、現在クラスを持っている教師の保育を体験していただけます。このことにより、カリタス幼稚園の教師の雰囲気も感じていただけるいい機会だと思います。
 


3.園児の住まい・通園距離は?

通園距離に特に制限は設けていません。
川崎市にありますので、川崎市の他に近隣の横浜市、東京都の他に相模原、厚木などから通われている方もいらっしゃいます。

スクールバスが4コースありますので、お近くのバス停から乗っていただけると思います。


4.幼稚園前に「これだけは準備するべきこと」はありますか?

一番にお勧めしたいのが”お散歩”です。
生活様式のほとんどが洋式になっている現在では、筋力が育つ場面が限られています。筋力が育たないと、トイレで踏ん張ることもできません。なるべくベビーカーには乗せず歩くことが筋力のアップにはとてもいいことです。また、親子でゆっくり歩くことで、自然を見たり、会話をしたり楽しい時間にしていただきたいです!

そのほかには、”子どもの生活のリズムを整える”ということです。
たとえば睡眠時間。10時間寝ているといっても、 10時就寝、8時起床では意味がありません。
子どもの生活にリズムに合わせてあげることで、日中ぐずることは少なくなります。
また、安心してトイレに行けるように、足がつくように踏み台を用意してあげる、手すりをつけてあげる、そのうえで時間を見てその子の間隔を見てあげる、寒くなる前に是非やっていただきたいと思います。


5.幼稚園卒園児の特徴を是非教えてください

卒園児はカリタス小学校を望んで進学する子が多いですが、必ず全員が行かなければいけないというわけではありません。カリタス小学校の教育方針をご理解いただいたうえで、お子様にあっているかどうか見極めていただくことが大切だと思います。

卒園児を見て思うことは、 ”たくましい”ということですね。
モンテッソーリ教育の失敗から学ぶという教えの通り、自分で考え、失敗してもそれを乗り越えていける力があります。そして、人のためにという精神がとても育ってくれていて、どの子も自分より小さい子のお世話を率先してやってくれます。

こんな話もありました。あるとき園庭でバッタを捕まえた子が何人もいて、その子たちのほとんどが図書の先生の所に行き、”バッタの本はありますか?”と聞いたと言うのです。自分で調べようとしたのですね。
また、バッタは見分けが難しいですが、厚い全書の中からぴったりのバッタが見つかるまで調べた子もいました。その子は普段はおとなしい子でしたが、その時はそこにすべてのエネルギーを注いでいるようでした。そして、見つけられたとき、周りのみんなが”すごいね~!”とその子を称賛していました。とても心温まる瞬間でした。



 
 


 
     頑張って子育てしているママさんへ
  
  園長先生からホッとするような
  
  ワンポイントアドバイスをいただきました!

 
 
    
 
            一番に言えることは「がんばりすぎなくて大丈夫!」と言うことです。
    肩の力を抜いて日頃のお子様の様子をよく見てよりそってあげれば
    いいのです。
     
    お母様たちの”なぜ??”にお答えできるよう、月に2回”子育てワークショップ”も
    開催しております。
    
     
 
 

インタビューを終えて

まっすぐに私たちの目を見てやさしくお話しなさる園長先生のお話に吸い込まれていくようでした。

カリタス学園全体で開かれたカトリックの学校として、新しいものを柔軟に取り入れているご様子がよくわかりました。

人のために尽くすカリタスの精神は、子どものやりたい気持ちをサポートして深めていく、教え組み込むのではなく子どもの持っている力を黒子のようにサポートしていきたいという、先生方の取り組みが土台となっているのだと感じました。