<洗足学園大学附属幼稚園>
子ども達の元気な笑顔と声があふれている洗足学園大学附属幼稚園へインタビューに行きました。
お帰りの時間、バスはないので全員が園迎えお母様と楽しそうに降園する園児の皆様にもお会いできました。
1.幼稚園の特徴・歴史など
幼稚園は昭和23年に設立されました。高等学校が先にありそのあとに幼稚園、そして翌年昭和24年に小学校ができました。
幼稚園は出来た時からこの土地です。
洗足学園は最初から音楽に特化した学園ではありません。
戦後の世の中で、大人は生活に追われ子どもは仕方なく放っておかれるような状態でした。
そんな中で、これからの世の中を担っていく子供たちを立派に育てなければという思いで幼稚園が作られました。
まずは、5歳児からその後4歳児と2年保育の始まりです。
3歳児クラスもでき、2年ではなく3年通して子どもと関わるため3年保育の実施となりました。
当初は、3歳、4歳、5歳それぞれの歳の育ちを重視する保育をしていたので、横割りを基調に、例えばそれぞれに庭があり砂場も3つありました。その年齢の育ちを大事にするためです。
時代が変わり、核家族化が進み異年齢間の交流の中で学ぶことも、下の子の面倒を見たり、上の子の姿を見て学ぶことが大事だと感じ、現在は一つの園庭で3学年がお互いを思いやり、刺激し合いながら遊んでいます。
先生方の接し方も、昔は大家族で、大人の目の多い中で自然に身についていた生活のさまざまの事も、現在のような核家族の中では補えないところもあるので、出来るだけ先生がフォローし生活を丁寧にしています。
2.幼稚園見学会でこれだけは見て頂きたいところ
ひとつめは子ども達が生き生きとしている事。
ふたつめは環境です。
物的環境は、子ども達がやりたいことをすぐに出来るような環境づくりをしていること。
たとえば、保育室のワゴンの上や教卓の上には子ども達の育ちに合わせて、子ども達が使いたいときに自分で取り出せるように道具、教材が用意してあります。
先生がさせるために準備するのではなく子どもが自分でやりたいことを見つけ、行動する。年少さんでも自分から欲しいものは欲しいと言えるようになります。
人的環境は、先生や友達です。先生は一人ひとりの育ちに合わせ援助します。時にはやさしく、時には厳しく子どもが自らやるよう促していきます。
子ども達同様、先生方にも強制はせず自分で考えクラス運営をするようにしています。
また、当園だけでなく色々な園を見て比べて頂きたいと思います。
3.園児の住まいは?登園距離について。
特に線引きはしていません。
ただ、まだ3歳のお子さんですのでその子の体力を考えて欲しいと申し上げています。
3歳児は疲れたら休んでください、無理はしないのが1番と言っています。
しかし、少しづつ生活のリズムを作り、体力を作るよう意識を持って頂くことをお願いします。
通園バスについては2年前に廃止しました。
実は、神奈川県で最初にバスを走らせたのは本園です。当時は交通機関も不便ですし、家電も発達していなく送り迎えはお母様の負担になるとの考えでした。
しかし、ここ何年かで田園都市線をはじめ多くの交通機関もとても便利になりました。
幼稚園を卒園して小学校に上がると近くの学校に行く子、電車に乗り遠くに行く子さまざまですが
どの子もひとりで通学しなくてはいけません。そのために幼稚園の3年間で、親子で1人で通学するためのルール―や社会性を養ってほしいのです。
意識を早く持つことは大切でだと思っています。
通園バスがないのは大変ですが、その大変さを理解していただき、四季折々の移り変わりを親子で感じて楽しんで通園して下さい。
4.幼稚園前にこれだけは準備するべきことは
特にこれと言ったことはありません。
親の意識、しつけの中で当たり前のことをしてきて下されば大丈夫です。
たとえば、おはしの持ち方や、洋服の脱ぎ着など子どもにさせるのではなく気づかせる声掛けをしながら一緒にしてください。生活を丁寧にしいていただければ子どもには自然に身に付くと思います。
また、掃除や洗濯物をたたむなどいろいろな生活経験をする機会を作り刺激を与えてあげてくださいね。
5.幼稚園卒園児の特徴
まずは、お友達と共に大きくなっています。思いやりややさしさが育ち、人を傷つけるようなことはしません。
3年間の幼稚園生活の中で、先生との信頼関係が育ち大人を信頼する子ども達です。
先生の一言で楽しくなれる!先生は助けてくれる!と、これは次の小学校生活にも繋がっていくと思います。
そして最後に、心の強い子ども達です。
遊びの中や、保育の中でもいやなことがあっても頑張てみようと促すことで達成感も育ち、その事が強い子どもを作っていくのだと思います。
頑張って子育てしているママさんへ
園長先生からホッとするような
ワンポイントアドバイスをいただきました!
情報に振り回され、あるいは、子どもの成長に押され前方しか見ていないのでは
ありませんか?
時々後ろを振り返りお子さんの幼い日を思い出して下さい。
今のお子さんの成長に気づかされることと思います。
インタビューを終えて
インタビューに伺った日はクリスマス会で園長先生はキラキラした目で楽しそうにその様子を話して下さいました。
先生ご自身が現場で楽しんでいらっしゃるんですね。
こちらの園はどの先生も主任の先生のようで素晴らしいとの評判ですが、園長先生の子どもだけでなく先生方にも人間性を大事に、押し付けでなく気づきを大事になさっていることがよくわかりました。
常に先生方には”親の次に出会う大人が自分たちなのだと”とお話ししているそうです。
先生方も園長先生のお気持ちを引き継ぎ素敵な園を作りだしているのがよくわかりました!