学園に入るなり高等部生のお兄さんがランニング中に「こんにちは!!」と挨拶してくださいました。
とっても暖かな春風が心に吹いてきました。
まだ桜のつぼみもかたい3月、やはり迎い入れてくださった園長先生の笑顔も春のやさしさでいっぱいでした。
1.幼稚園の歴史・特徴など教えてください
森村学園幼稚園は1910年に明治の実業家、森村市左衛門により創立されました。
多くの事業で財を成した市左衛門は、最晩年に「社会に役立つ人を育てたい」と自宅である東京・高輪の屋敷の庭に幼稚園と小学校を作ったのが森村学園の始まりです。1978年にこの長津田に移転、幼稚園から高等学校まで同じ場所に位置しています。
幼稚園児には難しいので、「森村っ子はうそはつきません、誰にでも親切にします、何事も一生懸命がんばります」と話しています。
大学はありませんので、高校を卒業したら進路決めるわけですがその際に“目的を持った進学をする”ことを指導しています。進路と進学は違うということです。進路というのは幼稚園風に言えば、「大きくなったら何になりたいの?」ですね。幼稚園の時から将来何になりたいか?という問いを大事にし、常に子どもが目的意識をもってくれるようにしています。毎月のお誕生会に、将来の夢をインタビューしそれをカードにして、1年の終わりに全員分を展示して保護者の皆様にみていただいています。
その良質な遊びの中で、“生きる力の礎”と“知的好奇心”を育むことを大事にしています。生きる力の礎とは、きちんと社会生活のできる人間になるために必要な事を遊びを通じて知ること。また知的好奇心とは、自分で調べて自分の言葉で発表する事、感動や疑問を持ちそれを自分の言葉で表すことだと考えています。
そんな良質な遊びに必要なのは自然です。幸いこの学園は敷地も広く森があります。森に行くと花や虫や鳥などに会えます。森に行けば、遊び道具はまったくいりません。木を鉄棒のかわりに遊ぶ子もいれば、この木は○○に見えるね!と目を輝かす子もいます。シロツメクサで冠を作る子もいます。そんな中でダンゴムシを見つけて“ダンゴムシってオスとメスあるのかな??”と、疑問がわき自分で調べたりするわけです。
2.幼稚園見学で森村学園幼稚園でこれは見て頂きたいという点・所は何でしょうか?
幼稚園で見て頂きたいのは、どんな遊びをしているかということです。
森の中で子ども達がどんな遊びをしているか機会があれば是非見て下さい。
また、周りからは見えない環境なので、園庭でパンツ1枚で泥んこ遊びをしたりもします。このような遊びは幼児期に大事だと考えています。
公立の学校はどこを切っても同じでなくてはいけない、金太郎飴であるべきだと思いますが、私立は逆に金太郎飴ではだめですね。その学校独自の色や、味付けがなくてはいけない。ですから兄弟だから同じ学校にということではないと思います。
2歳児でも3歳児でも自分の好きなにおいを嗅ぎ分けることができます。
是非お子さんを連れて学園を訪れてください。いくら親だけが気に入ってもお子さんがいやがったらやめたほうがいいと思います。
また、森村っ子は幼稚園からでも小学校からでも中学校からでもいつの間にか混ざってしまいみんなが仲がいいのが特徴です。卒業してからもクラス会ではなく必ず学年会です。先生と生徒の仲もよくこれは学園を作った森村市左衛門の精神を伝統的に受け継いでいるからではないでしょうか。
3.園児の住まい・通園距離は?
通園距離に特に制限は設けていません。
25年度の平均通園時間は45分で、一番遠方から通園しているのは水道橋でした。
スクールバスはありませんので、全員親子での登校となります。
諸事情で電車通園が大変な方もいらっしゃると思うので車での通園認めています。
車での通園の条件としては、学校内に車を乗り入れないこと、路上駐車はしないこと、近隣の方へご迷惑をかけないことです。園の近くに月極め駐車場を借りている方が多いようです。
電車と車の通園はだいたい半々ぐらいです。
4.幼稚園前にこれだけは準備するべきことはありますか?
みんなと一緒に遊べるような状態にしておいて欲しいです。
“お片付けをして絵本を読みましょう”と先生に言われた時に“まだ遊びたいからいやだ”では困ります。考査でもそこのところを見させていただいています。
生活面では最低限のことが自分できれば大丈夫です。ボタンやくつが履けるなどですね。
オムツも考査時に外れていなくてもかまいません。ただ入園時には失敗してもいいのでパンツにしていただきます。
“お名前は?”の問いに“○○です。〇歳です”と機械的に答えるようなことのないようにしていただきたいです。
5.幼稚園卒園児の特徴を是非教えて下さい
前に書きましたように仲良しであるということ。
また、校訓である“正直、親切、勤勉”を自分の言葉にし、自分の中に刻んでくれます。
幼稚園より自分が森村っ子であることに誇りをもって初等部へ上がっていくと思います。
頑張って子育てしているママさんへ
園長先生からホッとするような
ワンポイントアドバイスをいただきました!
幼稚園は親の利便性を優先して選ぶのではなく、お子様のために教育の中身を見て
選んで欲しいです。
給食をやらないのも同じ3歳児でも食の量は大差があります。小学校に行くと給食を
食べなくてはいけないので、幼稚園の間は気持ちよく「ごちそうさま」と言ってほしいか
らです。
また、預かり保育もすることにより親子で過ごす時間が減ってしまったり、帰りが遅く
なり翌日の幼稚園での活動に支障が出てしまうのは本末転倒だと思うからです。
ただ、水曜日は他の日と降園時間をそろえたほうがお仕事などにいいかと思い、
26年度から14時までのお預かりを行います。
インタビューを終えて
中・高の先生でいらした園長先生は、森村学園全体の事を把握していらして、そのスタートである幼稚園はこうであるべきという指針をしっかりお持ちでした。
15年間をこの学園で過ごす素晴らしさを、通ったことのない私達にもわかりやすくお話くださいました。
森村っ子としての誇りと森村への愛校心のスタートがしっかりと幼稚園生活から始まると知りました。
森村学園なら幼稚園から始まる学園生活は素敵なものになることと感じました。